HOME » 油職人今昔話
「いい歳こいて未だバイクに乗ってんのか?」
とか
「いい歳こいて未だ模型なんてやってんのか」
ってよく言われる。
んじゃぁ、いい歳になったら何やりゃいいんだって言いたくなる。
興味のない方から見れば
「何無駄なことやってるんだ」
って見えるのかもしれない。
バイクの価格を聞くと「軽四輪かファミリーカーが買えるじゃないか」って言われる。
エンジン飛行機やバイクをやっていたからこそ今がある。
何でもそうだが継続こそ最も大切な要素ではないかと思っている。
二輪も四輪もただ乗っているのではなく整備することで色んな発見があった。
マツダのロータリーエンジン、現在生産されていないと聞く。
幼い時に学んだ世界共通語になるはずだったエスペラント語(世界共通語になると言われ習った)ってどうなっちゃってるのだろう。
スズキのフルフローターサスペンションや油冷エンジン、
ホンダの楕円ピストン、
ヤマハのファイブバルブ、
その他アンチノーズダイブ機構等など、
使われなくなったら無駄だったと言えるのだろうか・・・・・
きっと何かの役に立っているとおいらは思っている。
いい歳こいてもバイク乗ったり、模型やったり、何もやらないで散って行くよりマシだと思う。
おいらが若い時、消費は美徳とされ、今だったら無駄と思われることを散々してきた。
消費していたから経済も右肩上がりだった。
物価も高かった。
今何人かのレースをしている子供をサポートしている。
その中の一人で理系の学校に通っているヤツがいる。
マシンのセッティングで苦労している。ヤツの親父も理系の学校を卒業している。しばらくの間セッティングについては口出ししないでいた。
中々セッティングが出ないので、おいらは我慢出来なくなり二人を呼んだ。
自然の法則や物理学や数学の利用を教えた。
それも懇切丁寧にだ。
その後、学んだことを走行練習でセッティングに実践した。ようやく理解出来、突破口が見つかったと言ってきた。
おいらにとってマシンセッティングはそれほど難しいものと思っていない。学生時代に学んだ自然科学や物理化学や数学を使えばセッティング出来る。
そしてほんのチョット、経験と言うスパイスを加えれば・・・・・
ただ、そのバイクの持っている潜在能力ってぇのがあって、いくらおいらの油がいいって言っても潜在能力以上のものは出せない。
学んだことや経験したことを忘れたり利用しないことこそ真の無駄と言えるのではないだろうか。