HOME » 油職人今昔話
小学生の頃の話だが、近所と言っていいのか近くに石神井公園があった。
石神井公園には大きな池があり、小魚やザリガニを獲ったり、適当に作った模型のボートを浮かべたり、貸しボートを借りたりして遊んだ。
貸しボートではオールを漕ぐことで前進できるのが不思議だった。
後に作用反作用であることが解るのだが、中々理解できない級友もいた。
更に作用反作用を学ぶ中、ロケットの飛ぶ原理も理解できた。
トイガンで火薬をパンパン鳴らして遊んでいた。
又、同じ火薬を使う花火の中に爆竹と言うのがあって、マッチ箱のヤスリ部分で擦って着火する2Bと言う爆竹に興味を持った。
トイガンの火薬の炸裂音では迫力が無く、2Bの炸裂する音の迫力に魅了された。
ある時、小学校の池で2Bを5本位輪ゴムで束ねたモノに石の錘を付け着火し、その池の中に放り込んだ。
当然水により火薬の火は消えると思っていた。
ところが池の中から黄色い大きな泡が出て数秒後に爆発した。
その後金魚が横になり浮いてきた。
勿論、直ぐ逃げた。
家に帰ってからも悪いことをしたと言うより、何故水の中でも消えずに着火薬が燃え続けるのか、何故金魚は浮き上がってきたのか、その方が気になって仕方がなかった。
これも後年、火薬には酸化剤が含まれ酸素が無くても燃えることが解った。
ロケットが酸素の無い宇宙空間でも飛ぶことが理解できた。
魚が浮き上がってきたのは2Bの爆発による衝撃波で気絶したことも解った。
近くで見ていたヤツが金魚は死んでいなかったって報告してくれたのでホッとした。
家の近所に防火用水と称する池があった。
子供が入れないよう柵があった。
暖かくなるとカエルが大量発生し泣き声がうるさかった。この当時パチンコ(ゴムの弾力を利用し、小石などを飛ばして標的に当てるモノ)が流行っていて武器好きのおいらは当然持っていた。
そのパチンコでカエルを狙い当たるとカエルは手足をビーンと突っ張って気絶してしまう。
これが面白くて柵の外から拾う小石が無くなるまで撃ちまくった。
一緒にいたダチが何でそんなに当たるんだって言われた。
ダチは何かズルしてると疑っての質問だった。
ダチの撃った小石はカエルの手前に当たり、何回やってもカエルにヒットしないのだ。
パチンコのような単純な構造のものではズルは出来ない。
おいらは単に照準をカエルより一匹分前に合わせていただけなんだ。
おいらはパチンコで放物線運動を学んでいたんだ。
以前にも書いたが地球ゴマからジャイロバランスを学んだ。
玩具と言われるモノから多くを学ばせてもらった。