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ある日のことです。円陣家至高関係者と会話中、流れでボールベアリングの話になりました。
ボールベアリングは何接触なんだろう?
皆「点接触」と躊躇することなく解答しました。
正解です。理科か技術家庭科かは忘れましたが私もそう習いました。
ただバイクに使用されているボールベアリング(ホイールベアリングなど多数)だったら不正解です。
意外な盲点ですね。
実はバイクに使用されているボールベアリングは線接触なのです。まっ平らな2枚の鉄板の間に鉄球を挟んだ状態であれば、このボールベアリングは点接触と言えます。
バイクに使われているボールベアリング(オープンタイプ)を頭の中にイメージして下さい。或いは実際に見得る状態にある方は現物を見て下さい。
インナーレースとアウターレースとボールの関係がハッキリと見えると思います。
インナー・アウター両レースのボールと接触するところにはボールが飛び出さないよう溝がついています。つまり、ボールの曲面に合わせた溝がついているのです。勿論、当たり前だと言われる方も多数いらっしゃると思います。でも点接触と線接触に於ける抵抗は桁外れであることに気付いている方はどの位いらっしゃるのでしょうか?
線接触の代表はニードルローラーベアリングやテーパーローラーベアリングが挙げられます。
ホルダーにボールが収まっているモノもあります。これは面接触かも?????
GRESIN[LG]の誕生の経緯は「油職人の今昔話」で書きましたので一部重複するかと思いますが、おさらいと思ってお付き合い下さい。
ご存知の通り、ボールベアリングは稼動することで発熱します。発熱によりグリスは流体となり、潤滑/稼動を止めると冷却されグリスの状態に戻ります。
この繰り返しによりグリスは劣化し、最後は固体化して終わりです。
市販グリスにGRESIN[LG]を添加したものの最後は液状です。最後の最後まで潤滑し続けます。
GRESIN[LG]は円陣家至高の全商品と同じようにボールベアリングが稼動するとボールをフローティングさせます。熱伝導性に優れていることから放熱する力が強いので熱により劣化することが最小で済みます。その証拠としては現状のままホイールを回してみて下さい。
次にホイールを取り外して下さい。ホイールベアリングのシールを外しGRESIN[LG]をオリジナルグリスが入っているままの状態のところに数滴注して下さい。シールを戻しホイールを組み込んで回してみて下さい。オリジナルグリスのままの状態とGRESIN[LG]を注したモノでは回転に大きな違いが確認できます。
お客様からGRESIN[LG]ではなくグリスを何故商品化しないのか?と言われます。
商品化しない理由はマーケットリサーチの結果、市販グリスの用途別種類の多さに圧倒されたからです。
添加剤形式にした理由でもあります。添加剤形式にすれば、全てではありませんが、多数のグリスに使用できると考えたからなのです。
但し、シリコン系や植物系グリス等への使用は不可です。
繰り返しになるかもしれませんが、開発当初のGRESIN[LG]は赤色ではありません。
赤色にした理由としては、例えばホイールベアリングのグリスに注す場合は赤色でなくともベアリングが稼動すれば満遍なく行き渡ります。問題は市販されているままのグリスに添加する場合です。
グリス容器から必要量を取り出したグリスにGRESIN[LG]を適量添加し撹拌します。この時グリスと同じような色だと良く混ざったか否かの確認し難いことが判明しました。
そこで模型飛行機作りの時に使っている二液混合型のエポキシ接着剤を思い出したのです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますがエポキシ接着剤は主剤と硬化剤とでは色を変えています。撹拌した時に主剤と硬化剤が良く混ざっているかを目で見て確認してもらうためなのです。
これがGRESIN[LG]を赤色にした理由です。