HOME » 油職人今昔話
現在、素材で素材名がついているものは過去のモノである。
少なくとも現在、未来の素材ではない。
このような素材をどのようにこねくり回しても結果は見えている。
おいらの創り出した製品の素材を当てようとする方が絶えない。
しかし、残念なことに100%当たっていない。
何故かは前述したように古い素材を前提に当てようとしているから絶対に当たる事はない。
提案だが、一度「〜〜ですか?」と言われる素材で創ってみたら間違っていることに気が付かれると思う。
世の中には油脂類に限らず色々な分野で、人知れず面白い研究をしている人々がいる。
誰の援助も受けず、学会や雑誌に発表することなく、全く新たな考え方で楽しんでいる人々がいる。
複合科学とでも呼ぼうか?あらゆる科学、つまり数学、物理、化学、生物学、医学を駆使して面白いものを生み出している。
この種の人間は欲が無く、功名心も無い。本人は人生を楽しみ、結果は人々のためになっていることが多い様だ。
何故なんだろう?
答えは、発表しても話しても
「そんなバカな」
「ありえない」
など受け入れてもらえなかったり、先ず否定されてしまう。
こういった類の、良いものは知らないうちに気がつくと広まってたりする様だ。
素材は考え方次第で、ちょっと手を加えるだけで大変身する。木彫りのようにである。
木彫りは彫る人間の心を映し出す。
油脂類の素材も同じく創る人間の心を映し出す。
出来上がったモノはいつの時代でも、どんな時でも主役になることは無い。脇役のまま生涯を終える。
だからこそ主役は輝きを放つのだ。
脇役が主役になろうとした時、或いは主役と勘違いした時、本当の主役は輝きを失う。
製品の素材データを欲しがる方がいる。
知ってどうするのだろう。何かの判断に使いたいのか、おいらには良く解らない。
試しにと思い、おいらのところに来る方々にデータを見せたことがある。
全員が
「良く解らない」
と異口同音に答えた。
そして異口同音に
「使ってみるのが一番」
と言った。
おいらもその通りだと思う。
どんなモノでも使ってみることが大切である。
以前にも言ったことだが、製品を見ただけで評論する方がいるが、物凄い才能だと思う。
見たり聞いたりしただけで、素材を当てようとする方々も当たれば凄い才能だと思うのだが如何に・・・・