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こんにちは。「油職人云々」の新章再開では無く、今回は特別編です。
おいらの創ってるサスペンションオイルについて解説しようってぇわけだぜィ(笑
よくあるユーザーさまからの質問・・・・・
ABSOについて
「何故最初はダンパーアジャスターの全抜きを推奨するのか・・・・・」
って聞かれます。
心理学の応用です。
全く性質の違う使用前のオイルと同じポジションでABSOに交換すると、作動原理の全く違う考え方で創られたABSOは固く感じられる可能性があります。
一般的にこの時点でABSOはアウトです。
ご自身で交換された方は
「失敗した」
と思い二度と使われなくなります。プロの方に交換を頼まれた方はプロの方に
「だから言っただろう、訳の解らないものを使うとこうなるんだよ」
ってなります。
この方々はもう二度とABSOの素敵な世界を体験することは無いでしょう。
と言う事で心理的要素で最初は開放からとお客様にご案内しております。
やはりABSOについて
「熱が入って変性するから・・・・・」
って聞かれます。
ABSO以外はその通りだと思います。ABSOは全く違います。
エンジンのピストンとシリンダーの関係に似たものがサスペンションに存在します。ABSOは一度作動させることで全ての隙間に停留します。今まで漏れていた個所から漏れが無くなり、オリフィスと言われるところのみでダンピングが行われる理想的な環境を作り上げます。それが固く感じさせるのです。
又、各隙間にABSOが停留していることで放熱効果は他のオイルとは比べものになりません。つまり一般的に言われる熱による劣化とは無縁のものとなります。過酷と言われる四輪の24時間耐久でも全くダレることもなく24時間を最初から最後まで走り切ります。
ABSOの作動原理は分子密度を利用しています。簡単に言えばヘルメットの衝撃吸収プロセスに似ています。例えば一発目の一番大きなショックはABSOに種々混合されている素材の内で分子密度の一番高いモノが担当して吸収します。ショックの大小によってABSOに混合されている各素材がその任にあたります。だから弾まないのです。
これは今昔話に書いていません。
これもABSOについて
「単体で固く感じるオイルは熱ダレ・・・・・」
って聞かれます。
粘度を利用してダンピングを行っているものは全くその通りですが、ABSOは前述したように粘度による抵抗を利用していません。
又々ABSOについて
「フローティングするとフリクッションが無くなって・・・・・」
って聞かれます。
ABSOを使用するとフリクッション(抵抗)は以前にも増して大きくなります。オイルサスの原理はオイルの抵抗、つまりオリフィスを通過するオイルの流速抵抗を利用しています。よく安易にフリクッションロスを取ると言われている添加剤をサスオイルに添加される方がいますが、これは大きな勘違いであり間違いです。
前述したようにABSOの作動は「フローティング=シール」も意味します。ABSOの作動する時には粘度の抵抗は利用していないのです。
一般的なオイルの場合、今までオリフィスを通過しなければいけないオイルがサス内に存在する隙間から漏れていたので柔らかく感じるのです。
それでは皆さま、又お会いできる時を楽しみにしています。
さいなら、さいなら、・・・さいなら!!